成長コラム One Point Column

Doing連載魅力経営のヒント
第12回目:輝くチームに成長する(2010年7月号)
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■あなたの組織は「チーム」ですか?それとも「グループ」ですか?

「もっとみんな頑張ってくれないかなぁ」
「もっと人が育ってほしい」
「もっと結果を出せる組織にならないかなぁ」
3、4、5月は、リーダーから組織改革や再構築の相談が多い時期です。

「今年の新入社員は、なかなか思うように育ってくれない」
「最近の若い人たちは・・・」
「正直、どう接していいのか分からない」
6月は新入社員の育成の相談が増える時期でもあります。

業種は違っても、組織の悩みは似ています。起きる問題もほとんど一緒です。今まで、1000以上の組織をみてきましたが、業種業態や規模に関わらず、問題を乗り越え成長・繁栄している「チーム」があります。
そのチームには、長期と短期の目標があり、チームのメンバーはその目標達成に合意し、達成を誓い、お互いに役割を担い協力し、最善を尽くしています。そんなチームの最大の特徴は、「チームのメンバー全員が、一人一人のメンバーの個人的な成長を願い、自分自身とチーム全体の成功に深くコミットしている」ことです。メンバーは、それぞれの現時点の能力だけでなく、将来の可能性を含めてお互いを深く信頼しあい、チーム全体とメンバー個々人の成長を大切にしています。

しかし、自分たちではチームだと思っていても、実際にはいつまでたっても、同じ問題ばかり繰り返して進歩成長しない「偽チーム」が非常に多いもの現状です。このような集団を「グループ」といいます。「グループ」は、それぞれ1の能力を持つメンバーが3人集まっても、3未満の仕事しかできません。式で書くと「1+1+1<3」となってしまっています。

これに対して「チーム」は、それぞれ1の能力を持つメンバーを3人集めると、一緒に力を合わせて仕事をすることで、一人一人のメンバーが成長していきます。チーム全体での成果は4や7や10、場合によってはそれ以上の成果につながることもあります。式で書くのであれば「1+1+1>3」となり、「素晴らしい仕事をやり遂げながら、個人も組織も共に成長する」という、個人と組織の理想的な関係となります。

では、なぜ多くの企業の多くの組織が「1+1+1<3」のグループになってしまっているのでしょうか?
それは、組織がシナジー(相乗効果)を生み出される成長ステージに達していないからです。

 

■組織の4つの成長ステージ

前回の第11回「自分が輝けば、みんな輝く」の中で、人には4つの成長ステージ「Rice(ライス)ステージ」「Like(ライク)ステージ」「Life(ライク)ステージ」「Light(ライト)ステージ」があり、それぞれのステージで働いている人たちを

Riceワーカー:肉体労働によって社会に奉仕する労働者。
Likeワーカー:知能や技術を使い社会に奉仕する成功者。
Lifeワーカー:仕組みや組織を使い社会に奉仕する人格者。
Lightワーカー:人々をより上位の奉仕をする側に導く指導者。

と、4つの成長ステージにわけることができることをお伝えしました。

実は、この成長ステージはチームにもあります。「Riceグループ(依存集団)」「Likeグループ(自立集団)」「Lifeチーム(共存組織)」「Lightチーム(共栄組織)」の4つです。

 

 1つ目のRiceグループ(依存集団)。

各メンバーはただ生活を維持するためだけに、ただなんとなく組織に所属し、Riceワークの働き方をしています。メンバーは、自分のことだけを考え、お互いのことをよく知りません(かといって知るための行動もしない)。周りの様子をうかがい、遠慮している状態です。任命されたリーダーはいますが、それ以外のメンバーは「誰かがどうにかするだろう」と依存し、誰かの指示を待ち、成り行き任せになっています。また、できる限り自分の仕事を増やしたくないと思い、省エネで仕事に取り組むので、技術の向上や価値創造がほとんどありません。

<課題>
・働く目的が漠然とし、組織の目的があいまい
・メンバーとの関係が希薄

<アクション>
・チームリーダーのゴールイメージと理想のチーム像の明確化
・メンバー間のコミュニケーションの量を増やす(特に雑談が重要)
・チームイニシエーション(チームになるための通過儀礼)の実施

 

 2つ目のLikeグループ(自立集団)。

数名のメンバーが仕事を好きなように工夫する、Likeワークの働き方をしています。また問題解決に向けて意見のぶつかり合いや、個人的に好き勝手な主張が起きます。メンバーのエネルギーは自己主張や利益の獲得や、チーム内部の競争に向けられます。その家庭の中で組織に必要な役割と機能が表出していきます。影響力の大きいリーダー(集団を仕切ろうとする人)が自然発生的に現れ、組織を変えようと試行錯誤し始めます。しかし、チームビジョンがまだまだ曖昧なので、メンバー全員には共有浸透されず、リーダーと一部のメンバーが組織をリードし、残りの多くのメンバーがそれにひっぱられる状態になります。

<課題>
・チームビジョン(成功)へのコミットメント
・ゴールへの道のり(レール)作り
・チームルールの議論と共通認識の場作り
・感情や本音の解放

<アクション>
・どのようなグループにしていくのか方向性と、チーム全体の目的と目標の共有
・ゴールへの道のり(レール)に対する共有
・感情のシェアーや本音でのコミュニケーション
・相互の長所と短所の理解とチーム内の役割の認識
・チームルールの作成と共感

 

 3つ目のLifeチーム(共存組織)。

お互いに協力し合い、生きがいあるLifeワークの働き方をするようになります。ルール(行動規範)が共感浸透し、ゴール(目標)、メンバーの役割と責任範囲が明確になっています。個人的な利害の枠にとらわれず、チームの重要なメンバーのひとりとしてどう行動すべきが自ら気づき、自主的に動けます。チームが目標を達成するために、自分範囲外の仕事も積極的に協力しあうようになります。各メンバーの知識や問題解決の手法が共有され、「私たちのやり方」「うちのチームは」という言葉や共通言語ができます。

<課題>
・目的、目標に対するチームメンバー全員のコミットメントの形成
・グループの他のメンバーへの心の解放
・人生観が曖昧で、仕事の中心軸となっていない。

<アクション>
・各メンバーの深い自己開示と共鳴
・本音の表現と他メンバーの本心の受容
・チーム運営(ゴール、ルール、レール)の適切な解釈や定義の徹底。
・メンバーの人生観の深堀りをして、チームの目的と統合する。
・仲間、お客さんにいかに貢献するかの探求と実践
・仕事範囲の明確化、役割分担の徹底

 

 4つ目のLightチーム(共栄組織)。

メンバーひとりひとりに志が立ち、世の中を明るく照らすLightワークの働き方をしています。チームが世の中にどう貢献しているのか、チームの存在意義を深く理解しています。「一人の失敗は、チームの失敗。一人の成長は、チームの成功」という感覚で、問題や課題を解決し、成功体験を共有しています。メンバーは使命感に燃え、チームへの帰属意識が高い。相互支援、社会貢献に基づいた行動・言動が浸透し、信頼関係が構築され「たとえ仕事が変わっても、このメンバーでずっとやりたい」という発言が出ます。

<課題&アクション>
・チームパフォーマンスのさらなる向上
・他社や業界、地域やメンバーの家族への貢献

チームの4つのステージ

■チームに必要な6つのコール

成長繁栄するLightチームは、共通の目的、達成目標、アプローチに合意し、その達成を誓い、互いに責任を分担して、全メンバーが力を合わせます。そんなLightチームになるにはどうすればいいのか?Lightチームとそうでないチームの決定的な違いは何でしょうか?
それは6つの要素「ゴール、レール、ルール、ロール、エール、ツール」に集約されます。

<ゴール>
チーム全体はどこに向かって進むのか?またなぜ進まなければいけないのか?進む目的は何か?進んだ先に待っている世界はどんな世界なのか?その時、メンバーはどう成長しているのか?そんな明確なゴールイメージです。ここで最も重要なことは、単なる数値目標や漠然としたイメージではなく、そのゴールイメージを聞いただけで、メンバーのモチベーションがあがるようなゴールイメージであることが重要です。

旅行業界が不振の中で、予約が殺到している「地球探検隊」という旅行会社があります。そこの社長の中村隊長(「社長」ではなく探検隊なので「隊長」と呼ばれ、ツアー参加者もお客さんではなく、「隊員」と呼ばれています)が以前、こんなことを言っていました。

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「地球探検隊」でやっていることの最終目標は「日本を元気にすること」なんだけど、その始まりは、元気な家庭が増えることからだと思う。うちのツアーに参加した隊員同士が結婚したカップが何組もいるけど、いずれは、その子供たち同士がまた、ツアーで出会い結婚して、子供が生まれていく。そんなイメージがあるんだよね。
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社会的にチームの存在意義は何か?そして、今のどんな小さい仕事も、全てそのゴールにつながっていることを深く実感することが大事です。

<レール>
現状からゴールに向かうためのプラン、ストーリーを描きます。具体的で検証可能な目標設定をします。各メンバーがその目標に対して積極的にかかわり、一体となって目標達成に 意欲的に取り組み続けるためには、個人目標も設定する必要があります。個人目標を設定することで、自分がチームの目標に関与しているという気持ちが高まり、さらに目標達成できたときも、十分に成長することができます。さらに、チーム目標と個人目標それぞれ、最終的な「長期目標(3カ年)」を達成するのに効果的な具体的な「短期目標」1カ月、3カ月、半年、1年を設定します。ただし、設定した目標に執着し過ぎないこと。臨機応変にその場の状況や流れにのる柔軟性も同時に必要です 。

 

長期目標

短期目標

チーム目標

 

 

個人目標

 

 

<ルール>
守るべき行動規範(基準)や貫きたいポリシー(使命)をチームルール「クレド」とします。ここで大事なことは、ルールを決めるプロセスにあります。みんなで話し合いながら決めていくこと。最初から決定版をつくろうとするのではなく、そのときの現状を踏まえて、何度も見直し、つくり直してバージョンアップさせていくことが重要です。なぜなら、ルールの理解がますます深まり、メンバー自身が大切にしたい価値観(仕事観や人生観)を深めることにもつながるからです。このプロセスこそが、チームの絆(信頼関係)を太く、強くしていくのです。
私が長年、応援させていただている企業に霊芝メーカーの「上薬研究所」があります。多くの企業がトップダウンで「クレド」をつくり浸透させようとしますが、上薬研究所は、20代の若手女子社員2名をリーダーにボトムアップ式にチーム全体でクレドをつくっています。そして定期的に、クレドを見直し、会社の現状と未来のビジョンと共にバージョンアップさせています。
参考までに、そのクレドをご紹介させていただきます。

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私たちは自己肯定感を高め合い「会社に来るのが楽しくて仕方がない」を実現します。その為に、私たち上薬研究所のメンバーはクレドを基本として日々の活動を行っていきます
株式会社上薬研究所  クレド -2010.4月改訂版-

1. 私たちは、自社の商品を誰よりも理解し愛し、誇りと自信を持ってより多くの方々に伝えます。

2. 私たちは、縁ある全ての方々が健康で明るく笑顔が溢れる毎日を送れるよう、常に一人一人が思いやりを持ち、心のこもった行動を取り続けます。

3. 私たちは、縁ある全ての方々に対して感謝の念を常に表します。相手に対して「ありがとうございます」と言葉で形で表現します。

4. 私たちは、利益の最適化を考えて、お客様や協力会社と付き合っていきます。そして、Win-Winの関係を構築していきます。

5. 私たちは、クレームは自分達を成長させてくれる財産として感謝の気持ちを持って迅速に対応します。

6. 私たちは、事業だけでなくボランティア・寄付等、様々な社会活動を含めてお役立ちを提供し続けます。

7. 私たちは、安心・安全にこだわった最良の商品作りをし、商品の安定供給と更なる品質の向上をしていきます。

8. 私たちは、社内外問わず、お客様を始め全ての関係者から多くの情報や真実の声を集め、それを分析・整理した上で様々な手段を用いてアウトプットします。

9. 私たちは、依頼された事項の期限を設定します。それを基に段取りを組みスケジュール管理をし、「相手の期待を上回る迅速さ」で行動します。予定が変更になった場合は相手に伝えて了承を得ます。

10. 私たちは、相手の話を最後までしっかりと聴き、素直に受け止めます。そして、自分の理解した内容が相手の伝えたいことであるかをお互いに確認し合います。

11. 私たちは、一人一人が日頃より率先して、健康な身体づくり(笑顔・食生活・睡眠時間・運動・ストレス解消などによる心身両方の健康管理)をします。

12. 私たちは、会社に来るのも楽しくて仕方がない職場作りの為に、一人一人が常に成長に向かい、他者に喜ばれる行動をし、常に感謝し続けます。

13. 私たちは、社内文化を守り、チームメンバーに言葉や行動で表し伝えていきます。

14. 私たちは、相手の”Good Job”を認め合いその場で必ず賞賛します。そしてその喜びを他のメンバーとも分かち合います。

15. 私たちは、新しい事や困難な事に直面した時、一人一人チャレンジする事を恐れずチームとしても個人としても成長し続けます。

16. 私たちは、課題達成のためにチームを強固にしていきます。そのために役職や立場、感情にとらわれることなく、チームメンバーに自分の感じたことを素直に伝え、行動します。

17. 私たちは、決定事項の意図や目的を確認し、理解します。決定事項がそぐわなくなったと感じた時は、メンバーに発信し提案改善していきます。

18. 私たちは、どんな場面・状況においても原因だけを追究するのではなくさらなる向上をするために「どうしたらより良くなるか」を考え、実行します。

19. 私たちは、3S(整理・整頓・清掃)を徹底し、コスト意識を持って無駄のない職場作りをしていきます。

20. 会社の資源(時間・お金・労働力など)は有限です。私たちはそのことを理解し、資源を最大限有効活用し、最良の成果を出します。
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<ロール>
チームが向うゴールと、そこへ行くためのレールと、向うまでのルールが決まると、チームに必要な役割が明確になっていきます。次は、その役割を果たすべき義務と負う責任をメンバーが認識することです。そのために各人の能力が発揮できる環境を整えることも重要です。ここでのポイントは、ひとりひとりのメンバーがどんな役割を担うのか、全員で深く理解すること。そして各自の特性(短所、長所)を活かして、チーム改善をしていくことです。

<エール>
自分たちの「活力(エネルギー)」となるモノが、メンバー自身にもチームにも必要です。エネルギーがなければ、歩みはいずれ止まるでしょう。メンバー同士で認め合う。褒め合う。励まし合うことです。また、そもそも自分たちにとって「活力(エネルギー)」は何か?どうすれば、エネルギッシュに働けるのか?などを話し合うことも効果的です。
静岡のお菓子メーカー『たこ満』は「一日一情報」という取り組みをしています。全社員350人で、毎日会社が良くなる改善提案や、お客様に喜んでもらうためのアイディアを出します(これが何と!提出率が100%)。社長の平松さんは自らの思いを伝える「社長通信(ニュースレター)」を6900号休まずに毎日発行しています。その中で、平松社長は前日の全社員から提出された「一日一情報」に全部目を通し、特に紹介したいものを、直筆で書き写して「社長通信」をつくり、社員に届けています。それを見た社員は、自分たちの提案を取り上げてくれたとさらにやる気になり、社長の本気を感じ、「活力(エネルギー)」となるのです。

<ツール>
使える資源、情報源、便利な道具を探してみましょう。またメンバーが盛り上がるイベントやモチベーションを維持できる仕組みを構築するのも有効です。たとえば「成長会議」を定期的に開催する。
「どうすれば、もっとお客さんに喜んでもらえるのか?」
「今のお客さんにさらにお役に立てないか?」
「今のメンバーがもっと楽しく働けないか?」
「どうすれば、今のメンバーがもっと成長できるか?」
「さらにチーム全体がよくするには、何ができるか?」
などを考えて、そのアイディアを出し合うことです。最初はどんな小さいことでもいいから、量を出すことです。それから出たアイディアを4つにグループわけします。「お金がかからない」or「お金がかかる」「今すぐに実行できる」or「実行するのに時間がかかる」の4つです。そして「お金がかからずに、すぐにできること」から実行していきます。

 

お金がかからない

お金がかかる

すぐにできる

第一優先

三番目

時間がかかる

二番目

最後

チームに必要な6コール

■Lightチームに成長するためのイニシエーション(通過儀礼)

Lightチームの6つの要素「ゴール、レール、ルール、ロール、エール、ツール」を実践していく上で大変重要なことがあります。
順風満帆にチームが良くなっていくことはないということです。全員が前向きで積極的なことはありえません。リーダーが思いをメンバーにどんなに熱く伝えたとしても、共感してすぐに動くのは少ないものです。場合によっては、誰も賛同せずに、リーダーひとりだけで前進しなければならないかもしれません。しかし、状況はどうであれ、具体的に一歩踏み出さなければ、何も始まりません。まずは、手を挙げてくれた人とチーム改善に取り組むこと。もし、誰も賛同者がいない場合は、リーダーひとりでも、できることから始めることです。

中には猛烈に反発する人もいるでしょう。もしかして組織を去っていく人もいるかもしれません。「今まで、何だったのか・・・」「私にはムリかもしれない」「今のままで十分だから、やっぱりやめよう」そう思い、人を育てることをやめてしまうリーダーも多数います。しかし、一見ネガティブに思える出来事は、Lightチームに成長するためのイニシエーション(通過儀礼)です。リーダーの本気度を試されているのです。

チームの明るい未来を信じて、その試練に真正面から飛び込んでいけば、思いもかけない展開が待っているでしょう。よくあるパターンは、全くの想定外だったメンバーが急成長することです。その成長したメンバーが他のメンバーをリードしていったり、刺激を受けて自ら手をあげるメンバーも現れてきます。こうしてチームが成長し、ある時に一気にボトムアップし、大変身していくのです。

そもそも、どんなに人を教え育てても、人が育つとは限りません。リーダーができることは、自分自身が成長すること。そしてメンバーの成長を支えること。この2つだけです。そのためには、まず自らの成長を願うこと。そうすれば、必ずそのためのチャンスが訪れます。そして、メンバーの成長を信じてあげることです。そうすれば、必ずそのための状況が訪れるでしょう。

 

■それを乗り越えて、チームは生まれ変わっていく

リーダーは常に、大きな責任を抱えながら進まなければいけません。メンバーの人生が大きくのしかかるからです。我が事を差し置いて、チーム全体やメンバーのために、最善を尽くさなければなりません。しかし、メンバーの成長を信じて一生懸命努力しても、よい結果になるとは限りません。泣きたくなることも、胃が痛くなることも、全て投げ出したくなる時もあります。
しかし、そんな危機的な出来事は、次に展開していくストーリーの布石(準備)でもあります。危機は、飛躍の扉です。
危機的な状況とは大抵、足りないという時に、さらに足りないことが起きます。「お金、時間、人材が足りない。人脈、技術、経験がない」というような苦しい状況に直面します。

しかし、「お金、時間、材料がないから、何もできない。人脈、技術、経験がないから、どうしようもない」と思っているリーダーは、あっても何もできない。何もしません。実は、足りないと思っている時は、まだ大して深刻な状況ではありません。その時こそ、本当の根本的な問題は何なのか?それに気づくことです。改善することです。

「大切にしていない人はいないか?」「大事にしていないことはないか?」
「足りない中で、どうすればできるか?」「今あるもので、何ができるのか?」

それらを考えて工夫し、改善すれば、道はひらけていき、道はひろがっていきます。
すると…。

ムダと思えたようなことが、いつの日か意味あることに気づきます。
ムリだと思えたようなことが、いつの日かできているようになります。
辛い別れになってしまったことが、新たなる出会いの始まりになります。
残念な結果に終わってしまったことが、いずれ成功のタネになります。

不要な失敗も、不必要な別れも、無意味な損失も一切ありません。全ての出来事がリーダーの魂を磨いてくれます。リーダーとは、チームの中で最も磨かれる人です。チームのひとりが輝けば、みんな輝きます。だからこそ、リーダーが磨かれて生まれ変わるたびに、チームもまた生まれ変わっていくのです。



現役歯科医師による歯科医院の為の経営マーケティングクラブ「Doing(ドゥーイング)」
小田真嘉の「魅力経営コラム」2010年7月号より